仮面ライダーアマゾンズシーズン1を全部見た感想
先日、見たいアニメがニコニコでもdアニメストアにもないことがきっかけでAmazonのプライム会員に入ったのですが、どうせ入ったのなら有効活用したいと思い特撮業界で良く話を聞く「仮面ライダーアマゾンズ(シーズン1)」を全話見てみました。
仮面ライダーアマゾンズとは
仮面ライダー生誕45周年となる2016年新たな挑戦。仮面ライダーシリーズ第4作目にして、そのビジュアルと他の仮面ライダーとは一線を画すワイルドなアクションから、シリーズ最大の異色作との呼び声も高い"仮面ライダーアマゾン"が、Amazonプライム・ビデオにおける日本初のオリジナル作品として完全新生。悠と仁、養殖と野生、二人の対照的な仮面ライダーアマゾンを中心に、様々な登場人物の思惑が交差し、謎が謎を呼ぶ展開は注目必至。※本作品 には、一部バイオレンス・シーンが 含まれております。 未成年の方のご鑑賞に当たりましては、保護者の方の適切な配慮をお願い致します。
Amazonの配信サイトの概要から引用しました。
仮面ライダーといえば日曜の朝にやっているヒーロー物です。
しかし今は放送上の規制が厳しく昭和や平成1期のような残酷表現がしにくい現状があります。
そこで配信サイトでやるならはっちゃけて良くない?的なノリ(だと思われる)で振り切れたのがこの作品です。
大手製薬会社の野座間製薬は秘密裏にアマゾン細胞と呼ばれる人工細胞を培養して人口生命体「アマゾン」
を作り研究していたのですが 2年前に不慮の事故で実験体4000体が脱走。人の姿に擬態して町に潜伏してしまいました。アマゾンは人のタンパク質を好み食べようとする食人本能があり、実験の時に使われていた腕輪(制御装置のようなもの)の効果が切れると怪物になり本能のままに人間を襲い食べようとします。
そんな中野座間製薬の役員の息子水澤悠は病弱であることを理由に家にほぼ軟禁状態で薬や注射を義務化されていたが、反抗心からそれらを拒絶。本能に導かれるまま辿り着いた場所でアマゾンと駆除隊(野座間製薬が雇ったアマゾン駆除部隊)の交戦を目撃し、自身も異形の姿仮面ライダーアマゾンオメガへ変貌する。
自分が人工的に作られたアマゾンと知る中で自らにアマゾン細胞を移植し仮面ライダーアマゾンアルファとなった鷹山仁や駆除隊、同じ駆除隊として働くアマゾンのマモル、駆除されるアマゾンを見ることで自分は人間なのか、アマゾンなのか。そして誰を守り誰を狩るかを迷い考えるというのが話の筋です。
本作ではニチアサではありえないようなグロい表現や精神的にくる設定やブラックさがあり、ダークな仕上がりになってます。
大人向け仮面ライダーって感じですね。
全体的な感想とか思ったこと※ネタバレあり
めちゃくちゃ面白かった!!
これに尽きると思います。
最初は正直つまらないと思ってたのですが、ブラックな設定が明かされる度にみるみるドツボにハマっていきました。
各人物のキャラが濃く、それぞれの生い立ちや設定が絡み合って濃密な人間ドラマになっています。
色彩が暗く血のようなものもブシャーと出るのでお子様には見せられないですね。
主人公が最初から怪物というのは555を連想させ、どちらにつくべきか悩む悠の様子は巧を思い出しました。
ですが、巧は「人間として生きる(=オルフェノクを倒す)」を選んだ一方で悠は「アマゾンとして自分本位に生きる(=アマゾンでも人間でも狩るべきものは狩る)」を選びました。
異形であるゆえのジレンマに出した答えが過去ライダーと違うというのは新鮮でとても良かったです。
簡単な図としては人間vsアマゾンなんですよ。
人間としては自分達に襲いかかってくる怪物なんて怖いし駆除して当然です。
しかしながらこのアマゾンは人間が作り出した物なんです。
勝手に生み出されて、逃げるきっかけがあったから逃げたら殺されるっていう。
例えば野座間製薬に戻ってきたら制御剤あげるみたいな制御の仕方は無かったのでしょうか。
シーズン1で1番印象的なのは9話の人肉ハンバーグですかね。
吹っ切れたといえあそこまでやるかと。
注文の多い料理店ごとく人間を誘い込んで調理して客(覚醒前アマゾン)にハンバーグとして振る舞うというブラックの塊。
出来るだけ覚醒を遅らせるための処置?みたいですが、マモル君を見る限り逆効果みたいですよね。
人肉を食べたら他のものが食べられなくなって、覚醒しそうな…。
この件は悠にアマゾンを本当に狩っていいのかという疑問を与えることになりました。
あのレストランの客は人肉を食べていたので微妙ですが、確かに全く食人をしていない覚醒前のアマゾンって狩るべきなんでしょうかね。
例えば似たような世界の「東京喰種」では人を襲えない喰種のために身寄りの無さそうな自殺者などの死体を漁り食料としています。
またアマゾンもどうやら覚醒前であれば抑制剤さえ使えば怪人化を抑えることも出来るみたいです。
そのような形で施設内(または一部地域)だけでも共存って形が取れたらいいんですけどね。
勿論アマゾンは覚醒したら人を襲い、食べる危険な存在であるのは確かです。
それでも人間と同じように感情があり、人間を襲いたくないと思っているアマゾンもいます。
例えば対照の存在として7、8話の殺人犯下霜草司がいます。
彼は残虐な連続殺人を行っており、手口はアマゾン以上に見えます。
醜悪で下衆な人間性に怒り悠は彼を殺そうとしますが仁は「人間」であるために庇い止めます。
現段階無害なアマゾンと凶悪な人間。
狩るべきものはどちらでしょうか。
仁の基準は単純明快で「アマゾンか人間か」
一方で悠の基準は曖昧でおおよそは有害か無害かですが「感情」言ってしまえば「自分本位」で揺れ動きます。
ここは人間からアマゾンになった仁と最初からアマゾンで軟禁され何もかも分からない悠の考え方の違いですかね。
2年間あの家で過ごしたと思えば急に変な怪物に変異して誰も何も教えてくれず、行き当たりばったりで物事に巻き込まれてるんですからまともな判断なんかできませんよね。よちよち歩きのヒヨコです。
仁は最初から最後まで「アマゾンは1匹残らず狩り尽くす」という信念が揺らぎません。そして最強のヒモ
人類から見れば「敵(アマゾン)を倒す正義の味方」なのですが、やることが空回りしている感がありますね。
めっちゃいい人なんでしょうけど、若干主人公から見ると草加があるのが…。
最後に駆除隊の人から(マモルを攻撃したからといえ)撃たれてたのはなんというか不遇って感じがしました。
あと七羽さん可愛い。
最終的に悠は「人間から隠れて穏やかに暮らし、食人衝動に目覚めた者は殺す」としてトラロックで生き残ったアマゾン達を引き連れて行方を眩ませます。
シーズン2にも出てくれるのかな。
まとめ
これを仮面ライダーと言えるかと聞かれたらわたしはイエスと答えます。
敵の力を使い、戦う意味を探す様子は仮面ライダーの主人公です。
また特撮としてのアクションやストーリーもお金がかかってるなぁと感じる出来で良かったです。
食べること・生きることは生命の根源であり簡単に答えが出せるものではないですが、考えさせられるきっかけになる作品でした。
私は悠の考え寄りのどうにか共生できないかという考えの人です。
シーズン2はこのシーズン1が平和って言われるほど残酷らしいので怖いですが楽しみです。
ここまで読んでしまった未視聴の人でも楽しめると思うので万人受けはしないと思いますが、興味を持ったらぜひ見てみてください