今まで読んだ中でおすすめの本の感想と紹介
大学に入ってから唯一心掛けて続いていることが「本をたくさん読むこと」です。
高校までは割とライトノベルや漫画ばかりで一般的な小説をあまり読んでなかったので、大学にいる間くらいはちゃんと文庫本を読みたいと思って始めました。
それとおまけで読書貯金というものもやっていて、本を一冊読むたびに100円貯金するっていう活動です。
今では6500溜まって、そのお金でよさげなBluetoothのイヤホンを買おうかなーとか思っています。
という前置きはさておき早速お気に入りの本を紹介したいと思います。
*本の紹介上、展開の一部ネタバレや感想が含まれます。苦手な方はお帰りください。
レインツリーの国 有川浩
きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。共通の趣味を持つ二人が接近するのに、それほど時間はかからなかった。まして、ネット内時間は流れが速い。僕は、あっという間に、どうしても彼女に会いたいと思うようになっていた。だが、彼女はどうしても会えないと言う。かたくなに会うのを拒む彼女には、そう主張せざるを得ない、ある理由があった――。
正確に言えば高校の時に読書感想文の時に読んだ本です。
関西弁の主人公と聴覚障害をもつヒロインがぶつかりながらもお互いに理解していこうとする話でした。
メールから始まって、メールで本音をぶつけ合うというのは現代っぽくて好きです。
この話では健常者と聴覚障害者として分かりやすく見え方の違いが描かれますが、普段の私たちも自分とみる世界が違う相手に対してどう思いを伝えればいいのかと悩むのは一緒だと思います。
その答えの一つを二人は見つけ出して仲を深めていきました。
作中では「何か欠点や障害があってもそれを理由に引きこもるのは違う。」という主人公の言葉が印象的です。
一般の小説に比べて短くサクッと読めるので少し息抜きしたい時などにおすすめします。
ボトルネック 米澤穂信
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。
ひたすら心が痛くなりたい人向け。
主人公は崖から落ちて異世界トリップ……ではなく「自分が生まれずに姉が生まれていた世界」に迷い込む。
そこで主人公は姉と「自分がいた世界」と「自分がいない世界」の間違い探しをする、という話です。
間違い探しの果てに突き付けられる残酷までの自分の存在価値と劣等感。
重過ぎる現実が突き付けられた主人公がこの後どんな末路をたどるかは読者の想像に任されていて、読後に考えさせられます。
この絶望感と息苦しさは読んで貰わないと分からないと思うので、メンタルが大丈夫みたいなときにでも読んでみてください。
私はとても好きです。
誰も死なないミステリーを君に 井上悠宇
自殺、他殺、事故死など、寿命以外の“死”が見える志緒。彼女が悲しまぬよう、そんな死を回避させるのが僕の役目だった。ある日、志緒は秀桜高校文芸部の卒業生4人に同時に“死”の予兆を見た。“そして誰もいなくならない”ため、僕は4人を無人島に招待、安全なクローズド・サークルをつくった。だが、そこに高校時代の墜死事件が影を投げかけ、一人、また一人と―これは、二人にしかできない優しい世界の救い方。
ミステリー小説は大体人が死にます。
何か事件が起きて人が殺されて主人公たちが犯人を見つける。
だけどミステリーは本当に人が死ななければならないのかを投げかける作品です。
死線と呼ばれる死の予兆みたいなのが見えるヒロインと癖のある主人公が「人を死なせない」ために奔走するどこまでも優しくて切ないお話です。
作中にでてくる罪と罰と赦しの天秤の考え方はなるほどと納得してしまいました。
読み終えた後に程よい余韻があってちょっと風変わりな小説が読みたい人におすすめです。
以上3冊の本を紹介しました。
どれも読んでて面白く印象に残った本などで良かったら読んでみてください。
まだまだ紹介しきれない本があるのでまた次回にでも紹介したいと思います。
ひさびさにこんな長文書いたな